FRBが緊急利下げ!でも、利下げや利上げの影響って何だろう?

こんにちは!
金融系ブロガーのハマネコです!
新型コロナウイルスの拡大により株価が暴落するなか、アメリカの中央銀行FRBが緊急利上げを発表しましたね!
本来は3月17日から行われるFOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げかと思われていましたが、緊急会合を開くという異例の対応。
それほど、今回のコロナショックは注意が必要ということですね。
ところでこの「利下げ」や「利上げ」って、そもそもどういうことで株や為替にどんな影響があるのでしょうか?
今回はそんな政策金利とマーケットの相関についてまとめてみました!
利上げ・利下げとは?
まずは、利上げや利下げがどういうことなのかについてまとめます!
少し前にドラマ『半沢直樹』がヒットした影響で認知度が高まりましたが、個々の企業は銀行からお金を借りる(融資を受ける)ことで事業を行っています。
ではその銀行はどこから資金を調達しているのかというと、中央銀行からですね。
なので国が発行しているお金の流れとしては、
中央銀行→一般銀行→個々の企業
となります。
そして、お金を借りるには当然金利が掛かりますよね。
利上げ・利下げとは、中央銀行から一般銀行へ貸し出す際の金利を上げ下げすることです!
各国の中央銀行は定期的に緊急政策決定会合という会議を開き、そこで中央銀行から一般銀行にどれくらいの金利で貸し出すかを話し合います。
なお、この中央銀行が決める金利のことを政策金利といいます。
利上げとはこの政策金利を上げることであり、一般銀行は中央銀行からお金を借りにくくなります(高い利息を払うため)。
逆に利下げとはこの政策金利を下げることであり、一般銀行は中央銀行からお金を借りやすくなります(低い利息ですむため)。
そしてこの政策金利の上下は、そのまま一般銀行から個々の企業に貸し出す際の金利(市場金利)にも影響します。
なので政策金利を上下させることは、間接的に市場金利を上下させることに繋がります。
利上げ・利下げで株価や為替はどうなるのか?

利上げや利下げをすると株価や為替にどのような影響があるのでしょうか?
一般的な経済学の観点から解説していきます。
まずA国で、利上げが行われたとしましょう。
一般の銀行は中央銀行からの資金調達が難しくなり、間接的に個々の企業も一般銀行からの融資を受けずらくなります。
すると企業は「下手に高い金利で銀行からお金を借りてまで、事業を拡大するのは危険だな」という判断をします。
すなわち、投資家は企業業績の停滞を予測するため株式の売却を行います。
なので、株価は下がると言われます。
逆に為替に関しては「A国の通貨を持っていればたくさん利息が付くぞ」という状況なので、投資家の間でA国の通貨需要が高まります。
すなわち、A国の通貨高が起こります。
以上より、「利上げ=株安・通貨高」が成り立ちます。
逆に、A国が利下げをするとどうなるのか?
今度は、利上げとは逆の現象が生じますよね。
個々の企業は低い金利で融資を受けられるので、業績上昇の見通しが立てられ、株価は上がります。
為替に関しては「A国の通貨を持っていても利息があんまり付かないなあ」という状況なので、A国の通貨安が起こります。
以上より、「利下げ=株高・通貨安」が成り立ちます。
ただこれはあくまでも机上の話です。
実体経済だと上の理論に当てはまらないケースも出てきますので、注意が必要です。
なお「だったら利下げすればいいじゃん!利上げなんてする必要ないじゃん!」と思いがちですが、そうではなく利上げにもメリットはあります笑
中央銀行が利上げをする目的は、景気の後退ではなく「景気の過熱を抑える」ことです。
まさに日本経済の過去でもがありますが、景気を過熱しすぎると実体経済以上に物価や株価などが上がってしまい、バブルを引き起こします。
バブル経済は上昇スピードが速いですが、ふと何かの拍子ではじけてしまった際の下降スピードも速いく、その代償が大きいことは日本の平成経済が示しているとおりです。
なので利上げをすることでバブルの発生を抑え、緩やかな景気上昇を維持する必要があるのです。
またダメージの少ない段階で利上げをしておかないと、いざ利上げが必要な段階になった時に「もう下げる余地ないじゃん」となってしまい、景気後退に対する対策が打てなくなります(まさに今の日銀やECBが陥っている状況です)
なので利上げも必要な措置なんですね。
なお余談ですが、日銀とECBの政策金利はご存じマイナスなため、これ以上利下げの余地はないと言われています。
アメリカFRBは今回1.25%に引き下げましたが、まだ利下げの余地はありますね。
今後も中央銀行の政策に注目しながら、取引をしていきましょう!
では!