人気なのは過去の話?豪ドル相場は復活するのか!?

こんにちは!
金融系ブロガーのハマネコです!
日本経済への不透明さから一時は「有事の円高は終わった」なんて言われましたが、やはり新型コロナが欧米にも拡大したところ円が買われれましたね。
一時112円を付けた米ドル円も、あっさり108円台まで円高が進んでしまいました。
さてそんな為替相場ですが、投資家の間ですっかり人気が無くなってしまったのが豪ドルです。
2/28朝刊の日経新聞にも、豪ドル相場の弱さが記事になっていました。
そんな豪ドルの変遷と今後の展望について、今回は記事にしていきたいと思います!
豪ドルは高金利通貨の代名詞「だった」
今でこそ減少しましたが、昔は銀行や証券会社・保険会社で外貨建ての運用商品を検討すると豪ドルが進められていました。
理由としては、豪ドルは高金利通貨として有名だったからです。
オーストラリアの経済の特徴として、資源が豊富であることは有名ですよね。
2003年ごろから資源に対する需要が高まり、資源国であるオーストラリア経済の好調さが目立ちました。
2008年のリーマンショック前には政策金利7.25%を付けています。
金利は新興国が高く、先進国は低いのが一般的なので、オーストラリアは先進国としては異例の高金利国だったわけです。
※新興国の場合政治や経済が不安定なため、金利を高く設定しないと投資を呼び込めないと言われています。一方で先進国はその安定性から、金利が低くても投資を呼び込めるのです。
しかし、リーマンショックを皮切りに金利の低下は続きます。
理由としては、新興国の経済減速に伴う資源需要の低下が挙げられます。
資源の輸出が経済の要であるオーストラリア経済の低迷見通しから金利の低下が続き、2020年3月現在の政策金利は0.75%、10年物国債は0.8%台と低迷し、いずれもアメリカ(政策金利:1.50~1.75%、10年物国債:1.1%台)を下回っています。
日本やヨーロッパと比べると金利は高いですが、「豪ドル=高金利通貨」とはもはや呼べなくなっているのかもしれませんね。
豪ドル下落の理由は外部要因が主
豪ドルの金利が下がり続けていることは分かりましたが、外貨投資のもう一つの魅力である為替レートはどうでしょうか?
直近5年間の豪ドル円の週足チャートを見てみましょう(楽天証券公式HPより)。

2017年後半~2018年頭にかけて90円を試みた後は、下落傾向にあることが分かります。
理由は大きく2つあると思われます。
一つが、アメリカと金利が逆転したことです。
オーストラリアの政策金利が引き下げ続ける一方で、アメリカの政策金利は2017年から徐々に引き上げられています。
そして、オーストラリアとアメリカの金利差の逆転が起こったのが、2018年1月です。
オーストラリアがいくら政治・経済的に安定しているとはいえ、世界一の大国であるアメリカほどではありません。
そのうえアメリカの方が金利が高くなったということで、これまでオーストラリアに向けられていた投資資金がアメリカに移ったことが推測されます。
すなわち豪ドルから米ドルへの資金流出により豪ドル売りが加速し、豪ドル安(=円高)に至ったのではないかと思われます。
そしてもう一つの要因が、米中貿易摩擦です。
オーストラリアの武器は豊富な資源ですが、その1番の取引先が中国です。
米中貿易摩擦が顕在化した2018~2019年では、実に輸出先の30%以上を中国が占めています(ちなみに2008年までは日本が1位でした)。
そのため、「豪ドルは中国経済の動向に左右されやすい」というのが見方ですね。
当然米中貿易摩擦が激化すれば中国経済の失速懸念に繋がるのげ、豪ドル安が進行することになります。
この2点の要因から、2018年以降の豪ドル安が進行したと思われます。
2020年豪ドルはどうなる!?
では最後に、2020年の豪ドルについて展望していきます。
直近では新型コロナウイルスが猛威を振るっており、今やアジアの地域問題ではなく世界的な問題になっています。
外的要因に左右されやすいオーストラリアにとって、その影響はもろに出てくるでしょう。
まず発症国である中国の経済が低迷すれば、必然的に豪ドル安につながります。
1月に第一弾の合意がされ、米中貿易摩擦が解決の糸口が見えてきただけに、冷や水を浴びせた格好になります。
加えて世界的な消費の落ち込みにより、資源や穀物価格の下落が続けば、資源輸出国であるオーストラリアの経済にダメージが生じます。
また金利についても、各国が利下げを織り込む中オーストラリアのみ利上げというわけにはいかないでしょうし、むしろ利下げ懸念が強まっています。
このように外的要因からみても国内金融政策面から見ても、豪ドルの見通しは明るくはありません。
一方で2020年3月現在豪ドルは70円台前半で推移していますが、これはリーマンショック以降最も安い水準です。
市場が「豪ドルは売られすぎ」と判断すれば、好材料が出た場合テクニカル要因での急反発があるかもしれません。
あとは日本側の要因ですね。
日本経済への見切りから、本格的ではないものの「もはや有事の円買いは過去のものだ」という見方が出始めています。
日本にとっては「悪い円安」ではありますが、円安が進めば相対的に豪ドル高が進みますね。
とはいえ全体的にみると、豪ドルの未来が明るいとは今のところ思えないのが正直なところです。
では!